Rider Journal(ライダージャーナル)

特撮を愛するアラサー男子のブログです。主に仮面ライダーの感想や玩具レビューの記事を投稿しています。

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』感想 平成を彩ったライダーたちへの賛美歌

2019年7月26日(金)、『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』が公開されました。

昨今の映画公開事情に合わせ(?)、ついにライダー映画も今作から金曜日公開となりました。
これは社会人には厳しい…
今回はなんとか8:30の回に滑り込み、仕事に支障なく観に行くことができました。

 

「平成ライダー、最終章」と銘打つ今作は、本編も終盤に向かいつつある『仮面ライダージオウ』のもう一つの最終回という位置づけだけでなく、平成ライダー全体の総括という意味合いを持つようす。なんだか冬映画っぽいですね。

 

ということで、今作の感想いってみましょう!
ネタバレを存分に含みますので、ご注意ください。

 


本編では描かれなかった「ドライブ編」


物語は大きく前半と後半に分かれており、前半はいわゆる「ドライブ編」です。

 

ゲイツがオーマジオウから奪うことによって所持していたドライブライドウォッチによって、クリム・スタインベルト(演:クリス・ペプラー)が映像となって登場。クリムの伝言によりソウゴたちはクリムの祖先の敷地に向かいます。そこには詩島剛/仮面ライダーマッハ(演:稲葉友)の姿も。そしてドライブの歴史消滅を狙う謎の男、ジョウゲン/仮面ライダーザモナス(演:斉藤秀翼)が立ちふさがります。

 

戦国時代の長篠の戦いの絵巻に仮面ライダーゲイツの姿が描かれていたことをテレビで見かけたことから、鍵は戦国時代と察し、1575年に時空転移します。

 

戦国時代には無駄に陽気な織田信長と、彼とデートをするクリムの祖先クララ・スタインベルトの姿が。ソウゴたちは織田軍に加勢、信長とクララを守ります。対する武田軍にはジョウゲンとともに、カゲン/仮面ライダーゾンジス(演:パパイヤ鈴木)も戦いに加わります。ゲイツの活躍もあり、武田軍を破りクララも織田信長も守られました。

 

無事にドライブの歴史を守ったソウゴたち。クリムと剛からドライブライドウォッチとマッハライドウォッチを受け継ぎ、遂に全てのライドウォッチを手にすることとなりました。


『ジオウ』最大の謎、ソウゴの秘密

全てのライドウォッチを手にしたその時、場面が切り替わり、全てのライドウォッチを手にし、魔王となったことを祝い始めるウォズ。
祝われるがままに玉座に就こうとするソウゴの目の間に現れたのは、ウォズと同じような服装をしたDA PUMP…ではなく、クォーツァーでした。玉座に居座る男(演:ISSA)は自らのことを「常盤SOUGO」と名乗り、彼が本当の王だと言うのです。

 

そう、常盤ソウゴは王の替え玉で、全てのライドウォッチを集めさせるために利用していたのです。あの2009年のいちご狩りツアーもとい、2000年生まれの王の選出を仕組んだのもクォーツァーでした。(スウォルツは何だったのか…)

 

彼のお人好しで正義感の強い性格を見込み、平成ライダーたちがライドウォッチを渡してくれると踏んでいたようです。
ソウゴは生まれながれの王でもなんでもなく、普通の高校生だった少年がウォズによって利用されただけだった…ソウゴはひどく落ち込んでしまいます。

 

映画では触れられていませんでしたが、これまで本編でずっと語られてきた「ソウゴは本当に最低最悪の魔王、オーマジオウになってしまうのか」の解答については否定されたと考えています。
ゲイツ・ツクヨミがいた未来は、常盤SOUGO/オーマジオウが魔王として君臨し世界を制圧していたのでは、と。
「常盤ソウゴ初変身の像」を設置したり、「若き日の私よ」と言ってみたりするのも、ゲイツたちをミスリードするための作戦だったと考えると筋が通ります。

 

また、映画の最後にゲイツとツクヨミが消えるシーンがありますが、それも常盤SOUGO/仮面ライダーバールクスが倒されたことで、オーマジオウがうまれず、歴史が変わったためだとも考えられます。

 

本編では未だにオーマジオウがラスボスぽい空気が残されていますので、このあたりは本編でも言及されるか気になるところです。

 

斜め上のサプライズと贅沢な映像演出


今回の映画も『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』同様、事前の完成披露試写会が行われませんでした。やはり今回もサプライズがあるのか!?という期待のもと、初日初回に観に行きましたが、結果的には斜め上のプチサプライズが散りばめている展開でした。

 

まずは、替え玉の王として利用されたソウゴが捉えられ、平成ライダーの歴史を奪っただけだったと悲観するシーンで、登場するのは木梨猛(演:木梨憲武)。

 

テレビ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』において1988年(昭和63年)秋から1990年(平成2年)春まで放送されたコーナー『仮面ノリダー』に登場したキャラクターで、当時は東映にも認められずソフト化などが禁じられていたようです。そうした背景から、「仮面ライダーとして認められなかった存在」の代表として、「お前はれっきとした仮面ライダーなんだ!」とソウゴを励ますおやっさん的存在として重要な役どころを演じます。

ただ、このネタをはっきりと理解できるのはおそらく40代以上の大人のファンでしょうね…


また映像的な演出として光ったのは、平成ライダーの個性を表現する場面。
常盤SOUGOの「平成を一からやり直す。整った美しい時代に作り直す」という主張に対し、ソウゴは「石ころだらけのでこぼこ道だけどそれが何が悪い。バラバラだからいいんだ」と論じます。

その象徴として、TVシリーズ以外の形で登場した仮面ライダーが登場します。

 

今年、東映特撮ファンクラブの配信でエイプリルフールネタを実現して登場した仮面ライダーブレン。

仮面ライダー初の舞台作品『仮面ライダー斬月』-鎧武外伝-より、仮面ライダー斬月カチドキアームズ。

2009年、『仮面ライダーディケイド』放映開始直後のタイミングで放送された『SmaSTATION!! Presents SMAPがんばりますっ!!』のコーナーにおいて東映公認で稲垣吾さんが変身した仮面ライダーG。

2017年、auの動画配信サービス「auビデオパス」(現「ビデオパス」)にて配信された『仮面戦隊ゴライダー』や同年公開の春映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』にて登場した、ゴライダー。

2014年より『月刊ヒーローズ』にて、脚本:井上敏樹、作画:横島一、企画:白倉伸一郎により連載されている漫画版『仮面ライダークウガ』の仮面ライダークウガ。

 

なかなか映像として見られないライダーが次々と登場し、映像の贅沢さに感動を覚えると同時に、この映画はいわゆるテレビ本編の「平成仮面ライダーシリーズ」だけではなく、「平成を彩った仮面ライダー」全てを賛美する映画なんだと悟りました。平成はメディアミックス展開が豊富だったなあと、東映さんの中の人も感慨深くなって入れた要素なのかなと。平成に放映、公開されたライダーをオマージュしたバールクス、ザモナス、ゾンジスの登場も納得です。

 

こういうのを見て面倒くさいファンはあれこれ思ってしまうんです。


アマゾンズも見たかった!
風都探偵のWは?
THE FIRSTの1号も!
S.I.C.の王蛇サバイブとか!
てれびくんの歴史にガタックハイパーフォームを!
ゲーム限定のダークディケイドとかどう?
小説を代表して仮面ライダーサイクロン!
CSMからオーズの未来コアメダルのコンボを!
そもそもBLACK RX〜Jを!!

 

…失礼しました。


ということで、今回はオリジナルキャストのサプライズはなかったですね。
泊進ノ介/仮面ライダードライブ(演:竹内涼真)の出演期待したんですけどね…
これもしかしたら、本編45話の登場期待できるのかな。

 

www.rider-journal.work

 


仮面ライダーゼロワン、先行登場


『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』、『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』と続けて次回作のライダー先行登場はエンドロール後に行われていましたが、今回はなんと冒頭にも登場。ソウゴの夢の中でウォズが仮面ライダーゼロワンの誕生を祝っていました。

「キカイ編」以来すっかり空気設定となった、「ソウゴの夢が現実となる」がやっと活かされたと思えるといいですが…笑

 

ゼロワンはエンドロール後にも登場。生きながらえていた仮面ライダーゾンジスと戦います。鎧を外して仮面ライダー真っぽかったですねえ。
例年同様、フォームチェンジも披露。仮面ライダーゼロワンフライングファルコン初お目見え。やっぱりゼロワンは変身音声が英語でクールですね。
飛行能力で敵を翻弄しますが、なんかこれはライダーってよりもアイアンマンっぽかったですね。

 

映画の最後に『仮面ライダー 令和ザ・ファーストジェネレーション』の公開も告知され、例年通りMOVIE大戦型の前作コラボ冬映画があるようです。
『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』と今回の映画で平成ライダーの集大成はやりきった感があるので、平成のレジェンドに頼らない新しい世界観を展開してほしいですね。


感想

何だか長くなってしまいましたが、感想としては「平成という時代に生きた仮面ライダーを総括するごった煮エンタメ映画」としては最高な出来だったと思います。

 

『ジオウ』単体の物語としても、本編の設定の根幹に突っ込み、ソウゴの王の器を存分に披露してくれて、それをフォローしていくゲイツとウォズの頼もしさを感じさせてくれます。

 

平成ライダー映画としては、久々の最終フォーム総登場(『ウィザード』最終話以来?)で、次々と最終フォームへ変わっていく音声も楽しめる美味しい画を観れます。最後のライダーキックも壮観でした。

 

もちろん、ライダー映画ならではのいくつか歯がゆい部分もありました。
とくに気になったのは、クォーツァーはドライブの歴史を消す必要があったのか?という点と、
クリム・スタインベルトの祖先はどうせなら演じるクリス・ペプラーさんの祖先の明智光秀にしてほしかったという点です。関係なければなんでクリムの祖先なのに戦国時代設定!?って思っちゃいますね。西欧人が初めて日本に来航したのは1543年の鉄砲伝来時と言われていますので、ありえない設定というわけではないんですけどね。

とはいえ、いつぞやの春映画ほど気になることではなく、それ以上に満足度の高い映画でした。


本編もいよいよ残り数話になっていますが、映画を踏まえてどう話が結ばれていくか注目していきたいですね。

 

 

劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer オリジナル サウンド トラック

劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer オリジナル サウンド トラック